Sustainability Research 006 ジョニー・スヴェドルンド(前編)

新しい制限速度は低くなったのですね?

アップ・ダウン両方です、ほとんどが下がりましたけれども。
時速80kmというのは双方向で間に境がないところです。
高速道路のように分かれているところでは時速120kmまであるところもあります。
例えば、人と遭遇して事故の危険があるような道路では時速40kmです。
側突があるような危険がある場所は時速60kmです。
現在走っているクルマ、それから普通の人間がどのぐらいまで大丈夫かというのが基準です。

スピード監視用のカメラも、人命救助という面を強調して広めています。
つまり緊急安全マネージメントのマーケティング。
捕まえるためのものではなくて、あなたの命を助けるためなのだということを強調しています。
ここでこういう話を取り上げたのは、私たちスウェーデンでは「アクセプタンス・受諾」をまず挙げるという姿勢があるからです。

日本のカーメーカーやナビメーカー、地図サプライヤーとか、電機電子機器メーカーというのはかなりのところまでオートマティックに出来るんです。つまり自動車というものが一方の極論から言うと自動的に自分を連れて行ってくれる、自動的に動く未来のクルマというものは一つの目標です。
今技術として、ディスタンスコントロールや自動ブレーキング、レーンキーピング、ナビにしてもGPSを感知して自分が緯度と経度何度何分のところにいるかがすべてわかり、地図もその中で時速何キロ制限の道を走っているのかがわかるようになっています。カメラも搭載していていろいろなことをやってそれを集積して自動車自体を動かしています。
そうした中で、現在日本では、その自動車自体がひろった情報を集積して、通信基地に送り、そこから逆にクルマにフィードバックしようとしています。例えば、この道は今朝30km制限に変更されたというようなことがドライバーに伝えられるのです。他にも、道を走っていて何か落下物があるとか、雪が残っていてスリップするようだという情報もつかめるので、次に来るクルマに注意喚起等の情報を提供できるようになります。また、何もない普通の道なのにブレーキを踏みながらカーブを切るクルマがたくさんいると、ここは危険ポイントではないかと調査出来るわけです。そうしたワーニングやブレーキング、アクセルを元に戻すことの干渉もしながら安全性を高めようという実験を行なっていますが、ヨーロッパやスウェーデンではそうした実験自体は受け入れられないのでしょうか?

写真

Stockholm / Sweden

もちろん、受け入れられると思います。確実に。
そうした方向の実験はヨーロッパ内で2つ行なわれています。
その継続も発展しながら行なわれる予定です。
ご存知かもしれませんが、スウェーデンでは双方向通行の車線にワイヤーを入れて道路を分けるということに力を入れています。
ですが、ワイヤーを付けるのに適していない、例えば、ここから横に走る道があるとか、近くに家があるとか、そうした理由で分けることに適さない道がたくさんあります。

そうした情報の収集は役に立ちます。
ちょうどカーブが良くないとか、見えにくいといったたぐいの情報の収集に非常に役に立つと思います。