Sustainability research 15

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Belgisch Gradbach / Germany

話は変わりますが、危険防止のためにナビゲーション・システムや、カー・トゥ・カー(Car to Car)コミュニケーション、カー・トゥ・ロード(Car to Road)コミュニケーションも含めた通信システムとドライバーに対する規制が強化されつつありますが、BMWはそうしたことに制限をかけない方向性であったと思うのですが、その辺はどのように考えていらっしゃいますか。
日本ではクルマを動かしたら操作が出来ないほどとても厳しく制限されているのですが。

まず、我々は変わらず、制限はなるべくしない方が良いだろうという考えです。
そのためにいろいろな実験をし、調査を行ないました
我々の考えでは、運転中のドライバーには様々な情報が入ってくるとストレスになりますから、自分でもいろいろとやろうとしません。
しかし、非常に退屈することもあります。
すると何かしたくなるのです。
ですから、大切なのは何かがあった際には、すべての行動を中断出来るようにするということ。

例えばiPodを取り出して、自分が聞きたい音楽を取り出そうとするとします。
もう少しで自分の聴きたい曲が見つかると思ったときに、何かが見えたためにハンドルを切って車線を変更したら、そこで(作業は)止まりますよね。
それでは今まで一生懸命探してきたことがすべてダメになって、初めからやり直さなければならない。
それではダメなんです。

BMWのクルマの中でのすべての行動・行為はすべて中断出来るようにしてあります。
例えば、ナビゲーションをするために住所を3文字しか入れていないときに、何か別のことをしなくてはならなくなり、10分後ぐらいに再開したとしても、初めからやり直すのではなく、その続きから出来るようにしています。
これは、アメリカでも何度もテストをして、調査して実験しました。

ですから、かえってフロントグラスのところに設置する方が危険だと我々は思っています。
行為をすべて停止出来て、行為を中断してもあとから行為が継続出来るようにしていく方がドライバーの集中力・注意力が行きわたるのです。
フロントグラスのところに設置する方がずっと危険です。
アメリカのNHTSAではいまだに議論をしている状況です。

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Grindelwald / Switzerland

まず、アメリカ運輸省では電話は完全に禁止しようとしています。
手を使わなくても、何でも。
アメリカの場合はすでにそういう州もあります。
しかし、そうした厳しい規制をしても事故の件数は規制をしていない州と変わらないという調査結果が出ています。
ですから、厳しい州は法律が守られていないのか、退屈だから違うことをしてしまって事故を起こしてしまうのかということです。

我々が考えているのは、例えば、運転をしていてナビを使おうと操作し始めたとなったら、車線のコントロールをもっと厳しくしていく。
少しでも変な状況になったら、警報が出るようにする。
あるいは警報が出る段階をもっと厳しくする。
そうすることによって、何か運転以外のことをしていることに対する危険度を警報で出すことが出来ます。
あるいは非常に危険な状況になるとシステムが判断した際には、たとえば電話中であったら、電話を切ってしまうなど、そういう形です。

僕はカーナビを安全面からも利便性からも高く評価していますが、根本的に、ヨーロッパのラテン系のフランスやスペイン、イタリアの人たちは求めているのでしょうか?

ナビについては、誰もが必要としていると思いますよ。
アメリカはわかりませんが、ヨーロッパでは全体的にナビは必要とされています。
スペインやイタリアなどのどこの国であっても、ほとんどのクルマに、クルマに内蔵されているものや、手軽に買える小さなナビなどが購入されています。
我々は、クルマに内蔵されているナビの方が良いと考えています。
もちろん、お金が取れるということもありますが、内蔵されているナビであれば、それがクルマのインターフェイスになり、ナビとカメラが一体となって、速度のインフォメーションを出すことが出来ますし、安全性のことも含めてです。

ITS釜山では、日本のHELPNET(緊急通報サービス)とのディスカッションにおいて、BMWの自動救急システムを紹介しました。
日本でも現在検討されています。
我々のシステムについてはご存知ですか?