Sustainability Research 006 ジョニー・スヴェドルンド(前編)

では、ISAという技術はどこまで進んでいるのですか?

写真

写真1(初期型ISA)

今ISAには様々なサプライヤーが7〜8社います。
前回5年前にお会いした時のタイプ(写真1)は職業運転をする車種が対象でした。
運転をしている時にどういった行動をしているかということも記録できるものです。
その他に、例えば一般的に市販されているカーナビにスピード表示があって、ある一定のスピードを超えるとワーニングが表示されるというものがあります。
量販店で市販されているものと、こうしたものとのアプリケーションの差が小さくなってきています。

4〜5年前までは、こういったものは役所・官庁の道路に関するデータベースを基にしていました。
地方自治体がある市とか道路庁などが制限時速を変更したら、コンピューターのデータを変えると同時にこちらの方にその変更が反映されるようになっていました。
市販されているカーナビの基本ソフトはアトラス社等2社の大きな地図のサプライヤーがいますが、そうした市販のサプライヤーはあちこちで写真を撮ったり、独自にインフォメーションを得てそうしたベースを作っています。
ですから場所によってはカーナビにデータが反映されるのは、遅くなっている場合がありました。
しかし、そうした遅れも例えば、地図会社やデータ会社(例えばスウェーデンのトムトム社)にユーザーから「間違っているよ」というクレーム情報が、インターネットなどコミュニケーション速度の高まりによってより速く来るようになったので、変更にも非常に速く対応できるようになり、タイムラグが短くなってきています。

これはスウェーデンだけで行なわれているのですか?以前はEC全体で実験が行なわれていましたよね。

カーナビシステムはヨーロッパ全体が統一されています。同じです。

このISAシステムの実験はブレーキとアクセルに干渉するというものがありましたが、例えば、時速60kmで50km制限のところに入ったら、50kmまで速度を強制的に落とすという…。

2001年に終了したかなり大きなスケールでの実験の中で、そうした機能が一つありました。

それは採用されなかったのでしょうか。

官庁という立場から見て、後から取り付けるという形は好ましくないと考えました。
例えば、当時ボルボ社が自主的にそうしたものを取り付けることはあり得ないわけで、あとからどこかのガレージなどで取り付けるということになるわけです。
そうしたことは官庁から見て好ましくありません。