Sustainability Research 008 クラウス・コンパス(前編)

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NewJersey / USA

例えば中国などでBMWはこれからもたくさんサプライされていかれると思いますが、インフラは中国政府がつくるとは思いますが、人の教育は非常に遅れていると思います。
今までクルマの文化がなかったところにクルマがたくさん入っていくわけですから、ドライバーも歩行者もこれから教育していかなくてはならないと思いますが、そういうことに関してBMWでは何かアクションを考えていらっしゃいますか?

コンパス: まず、ヨーロッパの場合では我々はドライバーに対するトレーニングプランというものを持っています。そういうところでの教育に非常に力を入れています。
しかし、中国の場合インフラに対して我々メーカーとしては何も出来ません。
あるいはヘルメットをかぶらなければならないとか、シートベルトをしなければならないとか、交通の規則を守らなければならないとかそういう教育というものは中国の国の問題であって我々メーカーとしては何も出来ません。

ホルツ: ご存知のように、中国の道路では犬からトラックまでが動いているわけで、我々メーカーとしては安全なクルマを提供することしか出来ないわけです。

次に環境の話ですが、これからハイブリッド車や電気自動車が次々と出てきますが、人類にとって経験のないモーターで動くクルマによる危険に対してトラフィックや、マシンとしての安全の問題はどのようにお考えですか?

コンパス: 例えば電気自動車の場合、パッシブな安全性の観点から我々は今までとは違ったクラッシュテストをして安全性を考えなくてはならないと思います。
現在「セーフEドライブ」という、いかに電気自動車の移動性、安全性を高めるかというプロジェクトがあります。ハイブリッド車や電気自動車の事故の場合の安全性ですね。
あとはおっしゃるとおり電気自動車を使うのは初めてのことですので、いかに電気自動車を使うかという新しい状況を考えなければいけないわけです。例えば、BMWはこうしたほうがいいとか、メルセデスはこうだということではなくて、現在、メーカーが集まって共通のスタンダードをつくろうと考えています。
BMWの電気自動車に乗っている人が別のメーカーの電気自動車に乗ったとしても同じように操作が出来るようにしなければなりません。

1月に日本のメーカーが、ハイブリッド車のスタンダードをISOに提出していると思いますが、それはご覧になっていますか?

コンパス: もちろん知っています。我々も読みました。
我々もそれに対して自分たちはどのようにしてグローバルなハーモナイゼーションが出来るかという提案をしていきたいと思います。

今年USNCAPではESCがプラススターとされますが。

コンパス: こちらではESCは、すでに標準化されています。

バックモニター、後ろに子どもがいるかどうかを見るためのカメラもアメリカでは義務化されますが。

コンパス: こちらではまだ付けていませんが今現在議論しています。

(後編に続く)