Sustainability Research 009 クラウス・コンパス(後編)

イタリアにいてもドイツのセンターに連絡をしたら、
イタリアの救急に電話してくれるということですか?

ホルツ: E-コール(センター)はドイツにあっても、(連絡をとってきた)クルマがどこにいるかがわかるので、そのクルマの近く、どこに救急を呼べば良いかがわかります。
非常に良いシステムですが、残念ながらまだあまり知られていないので、我々は皆さんにもっと知って貰えるような運動をしなくてはなりません。

コンパス: 我々がもう一つ考えているのは、例えば、データバンクです。
ドライバーが自分の病気の状況や必要な薬というデータを入れておけば、非常に役立つだろうと考えています。

ホルツ: あともう一つ、我々はADACの方と話しましたが、「クルマがどの車種なのか、BMW 3の何年のものか、それがわかるとクルマを切断する必要がある時などにどのようにするか」という情報をあらかじめ渡しておくということも考えています。

BMWがこの技術において進んでいることはわかりましたが、同じ道路を走っている以上、他のメーカーとも一緒にハーモニゼーションしていく必要がありますね。

写真

London / UK

コンパス: もちろん、そのとおりです。
今現在ヨーロッパではハーモニゼーションの話し合いが行なわれています。
しかし、実はそれはE-コールのハーモニーゼーションまでであって、我々はその2段階先を進んでいるという問題があります。
ハーモニゼーションをする場合に、我々がずっと先に進んでいる技術というものも受け入れて貰えるようにしないと、我々にとっては問題があると言えますね。
今、アメリカではGMにオンスターという、我々よりは水準が低いのですが、同じようなシステムがあります。BMWはGMと話し合ってアメリカにおけるスタンダードをつくろうと検討しています。

ホルツ: アメリカの場合は事故が起こった場合には飛行機などと同じようにどういう状況であるかをすべて記録する機能を取り入れようという話があります。
しかしドイツになるとデータの個人情報保護の問題があるので、難しい。
つまり、その国ごとにデータの取り扱い方が違うということですね。

コンパス: 先程申し上げた、ドライバーの薬などの個人的なデータをデータバンクに入れている場合、我々はそのデータにアクセスすることは出来ませんから、救急の方にこの人はこういうデータバンクに入っているという情報を伝えることしか出来ません。