Sustainability Talk 005

写真

Gothenburg / Sweden

先週ワシントンDCで世界銀行のトニー・ブリス氏とミーティングを持ちました。「世界銀行としていろいろな国といろいろなことをやっていこうとているけれど、日本はそれに対する技術も持っているし、日本が参加できるような形はないのか」と聞いたら、彼は「日本には5年も前から声をかけているのに、出てこないんだ」と言うんです。

なぜ出てこないかはわからないけれど、声をかけても興味がないのか、言葉がないのか、おっしゃる通りあまりポジティブな反応がないですね。

「小さくてもいいからどこかで日本がやったというショウケースをつくりなさい」と彼は言っていました。

成功体験がないと、なかなか出ていきたがらないですからね。削減をしたいのなら中国でやるのが一番効率的なので、あそこでショウケースをいくつかつくるといいでしょう。
CCSはもちろん、太陽光発電などもありえますよね。
いろんなことをやってみて、うまくいくモデルができれば、他の国へもどんどんいけるんじゃないでしょうか。だから二国間でいろいろなプロジェクトを立てるのは、たいへんいい事だと思います。
どうも日本の産業界は、一部を除いてグルーバルな展開をしていこうという意欲に欠けている面があるかもしれない。もちろん、電力・ガス会社はもともとローカルな産業ですからグローバルな展開をしないんですが、それでもヨーロッパを見ていると、電力マーケットがヨーロッパ全体でひとつになろうとしているわけですから、隣りの国に行って発電するというのはオプションとしてありうるんです。
そうすると、入り乱れた電力会社間の競争が起こっていて、例えば風力発電の会社でアメリカにまで進出して技術力を高めて、世界で4番になったスペインの会社があるとか、とてつもなくグローバルな市場相手に電力が競争する時代になっています。日本は島国だし、かつそれぞれのテリトリーに独占企業体があってそのテリトリーの中で安定供給をする。そういう意味で世界一のシステムと技術があるけれど、グローバルなモデルに打って出て競争することが出来るのかというと、そこはそんなに興味がないように見えますね。
そうすると、それらの独占企業にいろいろな機器を納入する電気系の会社もグローバルな機会に興味を示さなくなりますよね。
だから全体のシステムとして、グルーバルな展開をするメカニズムができていないような気がします。 日本は「いつの間にか、とても内向きの国になった」とよく言われます。自動車会社などはかなり海外に投資したりしているので必ずしも全部が全部そうではありませんが、グローバル展開に対する意欲が、だいぶ下がってきてしまっていると感じます。

そういう意味でこのsustainablecommunications.jpは、世界と日本をつなぐコミュニティをつくろうとしています。でも結局舞台になかなか上りません。

国際会議には日本の方が来ておられませんね。
日本がいろいろな形でグローバルにインボルブされていくのは大変重要だと思います。
しかし、あまりにも日本の方のエクスプロージャー、プレゼンスが低いですね。特定分野だからなのか、それとも全然一般論として来ていないのかわからないですが。
いつも同じ人かだれも来ていらっしゃらないことを、私も常日頃から不思議だと思っていました。