Sustainability Talk 005

「日本は、持てる技術で外国の二酸化炭素を減らしてあげることを考えるべき。」田中伸男

IEA 国際エネルギー機関 事務局長

写真:田中伸男

国際エネルギー機関 International Energy Agency、通称 IEAは、その時点の、世界的バランスの取れたエネルギー政策を立案し、エネルギー安全保障を確保し、経済発展と環境保護を目指す、言ってみれば「世界のエネルギーの番人」である。
その組織を率い、発言し続けているる事務局長が、田中伸男さん。
世界のエネルギーの観点から語ってもらった、市場と技術と世界の明日。
そして、日本へのヒントは?

年間20基の原発を、毎年つくっていかなければいけない。100万kwの水力発電所は毎年50基、風力タービンは毎年1万8千基。これくらいやらないと、経済成長を維持した上での二酸化炭素削減はできないよということなんです。

写真

Schwarzwald / Germany

今年3月のGENEVA MOTORSHOWで始まった『50 by 50 GLOBAL FUEL ECONOMY INITIATIVE』(以下『50 by 50 INITIATIVE』)キャンペーン。
あなたは発起人のひとりですね。どのような経緯で提案をされたのでしょうか。

もともとル・フルトンというIEAの担当者が運輸部分の省エネを課題として活動していたので、何か具体的なプロジェクト、イニシアチブにして世の中に出したほうが影響力がある、としてあのような形にまとめ、関係者と一緒にカルロス・ゴーン氏と会ったりとPRをしました。
あのような形でPRしたのは初めてです。
色々な国際機関が集まって言った方がインパクトが大きいですからね。
50 by 50INITIATIVEは、「それくらいやらないとだめだ」とか「それくらいならできそうだ」という感じがだんだん出てきています。
2050年にはCO2の50%の削減を目指すわけですから、2030年頃には自動車の半分はハイブリッドか電気自動車にしなくてはならないでしょう。しかし、可能性は十分にありますね。