Sustainability Research 012 アンドレ・ジーク(前編)

新しいタイプの事故とは?

我々が事故をつくり出すわけではありません。
ドイツ国内では、事故データがとてもよい状況にあり、事故時にクルマの受けるダメージはどれほどだったか、などを我々はかなり詳細に分析できます。
また我々はクルマにとって安全でないエリアを見出し示すことができますし、あるエリアでは重大なダメージが非常に少ないという見込みも見出せます。
そのエリアがより良いのは何故か、ということも示すことができます。

しかしこれからは、それ以外にも明確にしなくてはいけないことがたくさん出て来るでしょう。
事故が起こった後、電圧がシャシーにかかっていないかどうか。
感電を怖れて救助隊がクルマに触るのを躊躇してはなりませんからね。
先ほど申しましたように、我々は現在、この問題に着目しています。
また、クルマに求められる、より幅広い意味での安全性についても明確にしなければなりません。

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London / UK

まず、異常に安価な製品づくりを避けねばなりません。
日本やドイツではその心配はありませんが、他の国々ではコストの安い製品づくりが行なわれています。
それはテクノロジーを損ないます。

とても安いクルマというものはあります。
特に電気自動車は簡単につくることができるからです。
しかし、安価な製品はリスクも伴います。
ですから、日本をはじめとする各メーカーがハイブリッドカーや電気自動車をつくっていますが、 まず安全性のレベルが十分であるかどうかを確認すべきです。
高い技術では出火などしませんし、ダメージを受けることもありませんが、新聞各紙ではハイブリッドカーや電気自動車については 小さな事故も大きな事故として扱われ、それによって消費者は、電気自動車は決して安全ではないと信じるでしょう。

ですから、我々は新しい技術を導かなくてはならないのです。
また、安全の問題は少し複雑だからか、リサーチ会社は排出ガス問題にのみ着目しているように見受けられます。
しかしながら、安全性の問題は排出ガス問題以上に重要な問題として扱われるべきです。
そして、環境配慮型のクルマが安全面でも十分であるかどうか確認すべきです。
もし、悪いイメージを持つと、誰もそのクルマを買おうとは思わなくなるからです。