Sustainability Research 001

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Wshington DC / USA

ヨーロッパでは、呼気テストアルコロックのような飲酒運転防止機器義務付けに動いていますが、アメリカではどうなのでしょうか。

そういった危機の義務付けがほしいですが、アメリカは自由の国ですからね、ドライバーの意向も聞かないと…。
我々はこういった技術についてどう思いますかというアンケートを先頃実施しました。その背景を説明しましょう。アメリカでは現在、アルコール・イグニッション・インターロックというのがありますが、これは、アルコールが検知されるとエンジンがかからない、あなたが今仰ったのと同じやり方です。
飲酒運転でつかまり、訴訟となって犯罪者となった人は、この装備をつけないと運転免許を返してもらえません。
このプログラムは、アメリカではジョイント・プログラムとして自動車メーカー協会とNHTSAが協賛しています。
ところが、毎回クルマを始動するたびに呼気テストするのはいやになってきますから、受け入れがたい。特にアメリカでは人口の半分は一滴もアルコールを飲みません。エンジンスタートのたびにいちいち息を吹きかけるなんて、面倒くさくてやらなくなります。
そこで代替技術を模索していて、光を皮膚にあてて酒を呑んでいれば血液がある波長を持って反応するという技術を見つけたのです。いちいち人間が何かしなくても、自動的に感知してくれるシステムです。
この代替技術が開発できて信頼度が高ければ、全てのクルマにこのシステムを搭載するのをどう思いますか、というアンケートを実施しました。結果は3分の2ほどの人が、このシステムにはイエスと答えています。かなり支持率が高い技術と言えます。
技術が正しいものであれば人々は受け入れます。しかし現在の呼気テスト方式はアメリカでは受け入れられないだろうと思います。
今改善が必要なのは運転能力が妨げられている人々をどう扱うかということです。
注意散漫になるのと同じですね、飲酒運転も結局、運転能力が妨げられているわけですから。

今技術としてITもあれば、ABSはもちろん、車間制御衝突防止システムや、スリップ防止システムなどの新技術が出てきています。これらをどう評価するのでしょうか。

どう評価するか、まだ結論に達していません。研究していますが。
問題は、「そういった新しい技術をアメリカのドライバーが受け入れてくれるか」ということです。現在数社と協力して調査をしています。
新しい技術を搭載したクルマを買ったお客様に、その新しい技術を乗車時にオンにするかオフにするかを聞いています。プロのドライバーに聞くと、まずレーン・ディパーチャー・ウォーニング(クルマがレーンを外れた時に警告をならす)は消すといっています。「うるさくてしょうがない」と言うのです。
アンケートでは、少なくともオンにしたままでいるかどうかを聞いています。
それに加えてインシュアランスデータ(保険支払のために調査分析した事故データ)も調べていて、色々な技術に対してどんなことが起こっているのかということを調査しています。たくさんは出ないようなラグジュアリーカーにしかついていない技術についてはデータが余りありません。
前方のクラッシュについてはクルーズ・コントロールと一緒にかなり進歩した形にはなっていますね。時速20マイル以下の速度でアドバンス・クルーズ・コントロールがオンになっていなくともフォワードウォーニング(前方接近警告)を出したりね。
これに関してはほかのものよりデータが多く、インシュアランスデータとして影響が出るかについても把握しています。衝突防止に関しては、路上の弱車である小型車には特に有効な技術です。
究極なことを言えば、もしクルマが全てを自動で運転してくれるのであれば、アルコールをどれくらい飲むかなんて関係なくなってきますね。
しかし、クルマが全く人を必要としなくなるまではドライバー=人間が主要な要素ですから、やはり運転能力や判断力が妨げられていてはいけません。