Sustainability Talk 010

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Washington D.C. / USA

スバルやボルボのクラッシュアボイダンスブレーキングのように、クルマを止めるということをクルマ自体がやるべきでしょうか、最後はドライバーに任せるべきなのでしょうか。
このシステムには激しい勢いでブレーキが作動し、運転者に対する警鐘という意味もあると思いますが。

これらのテクノロジーは大きな可能性を持っていると思います。
ご存じと思いますが、我々NHTSAはデータ志向の(データに基づいて作業する)組織です。
ですからこれらのテクノロジー導入を奨励したいのはやまやまですが、同時にこれらのテクノロジーの実際の効果、回避された衝突、死傷事故などの安全面における結果(効果)を見なければなりません。

特にボルボのシステムは、歩行者をクルマが轢かないようにという歩行者のための安全システムです。衝突が回避できない状況において、はたして運転者の手により多くの責任をゆだねるべきか、クルマが介入するべきかは、もっと慎重に検討すべき課題です。
なぜなら人と機械のインターフェイスは常に難しい検討事項だからです。
運転者がクルマの介入に頼りすぎて不注意になっては困ります。

しかし同時に、人間の力ではクルマを止めることができない、後戻りが不可能となるポイントがあります。
もしも実際にクルマが介在することにより衝撃を和らげたり、衝突を防ぐことができたならば、それは有望な成果といえます。
しかし、これらのテクノロジーがどのように機能するかを見ることが必要です。

ボルボはかつて自社のシステムに対して大きな賭けをしました。
他社はクルマの介在によりクルマを完全に止めるというところまでは行きませんでした。
様々な戦略がそこにはあり、NHTSAでは非常に注意深く見守っています。
しかし、究極的には我々は最高度の安全性を望んでいるのです。

このブレーキングシステムは、現在のシートベルト、エアバッグ、ABS、ESP、ESCなどと同じように安全標準になると思いますか?

今挙げたテクノロジーのすべてが、はじめは高級車のオプション装備でした。
これが我々のデータのベースラインとなり、それに基づいてレギュレーション作りへと進んでゆきます。
科学のデータに先走った発言をしたくはありませんが、これらのテクノロジーはそれらが広まれば非常に大きな将来性を持っていると思います。
何年か先には我々がレギュレーション化を考える立場になるかもしれません。
しかし、まずデータを入手することが第一です。