Sustainability Talk 010

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New York City / New York / USA

では大きな車には何が必要ですか。
大きなクルマには今まで以上に小さなクルマを守る義務が生じると思いますが。

コンパティピリティと呼ばれている問題ですね。
メーカーが独自にそれぞれのフリートのコンパチビリティを高める努力をしていると思います。
各メーカーが社会的責任感を持って対処していることだと思います。

しかし、車両のコンパティビリティをレギュレーション化するにはエンジニアリング(設計)上の難しさがあります。
例えばバンパーの高さなどです。
先程もお話した燃費スタンダードでコンパティビリティは燃費標準に適合することによって自然に実現されますが、これはすなわち大型車は少なくなることであり、小型車をさらに小型化するということではありません。
したがって時間が経てば自然に全ての車がコンパチブルになるのです。
これが多分、NHTSAが及ぼす、より直接的なコンパチビリティの効果でしょう。

エンジニアリング上の課題は車両の大きさだと思います。
最終的には今存在する最大のSUV、または各車格の最大の車両はバンバーの高さがちゃんと正しい個所に当たり、全員が安全ケージ内にいるかどうかの課題が常にあります。
保険のレートなど市場の力が自動車メーカーに正しい判断を下させるという認識があると思います。
エンジニアリングの問題は複雑ですが、フリートが変化してゆくことで自動的に解決されることだと信じています。
なぜなら世界でもアメリカでもメーカーが一時のように大量に大型車を生産しているという状況を目にしなくなっているからです。

その代わりに、たとえば少しダウンサイズのクロスオーバーSUVとかスポーツユーティリティクーペといった少しアップサイズさせたクーペが現在たくさんのメーカーによって生産されています。日本でも何社かが登場させていますね。アメリカにも何種類かありますが、同じものです。
フリートの変化という形で自動車メーカーが安全性とコンパチビリティの課題に対応するのを見せてくれているのだと思います。

ハイブリッド車や電気自動車における安全の問題点は何でしょうか。

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New York City / New York / USA

我々の課題はバッテリーコンパートメントの安全を保つことです。
市場に投入される様々なバッテリーケミストリーのすべての課題です。
事故に遭遇した時の感電の抑制の問題もあります。
救急医療チームや最初に対応する人が同乗者や運転者に処置を施すことができるようにすることです。
そして金属器具を使っても感電ショックを起こさないことなどが常に課題としてあります。

第二に重要な問題は可燃性の問題がないことを確認すること。
今我々はこれらの課題に対応するスタンダード作りを行なっており、まもなく告知をしてこれらのスタンダードをアップデートする予定になっています。

バッテリーの保全の問題に関しては自動車メーカーは様々なアプローチを持っていると思います。ガソリン・電気のハイブリッド車だけでなくプラグ式ハイブリッドそしてさらにはフル電動の車両などがますます市場に出てくる状況では、目標はまずはハイブリッドの持つ課題を解決することであり、我々はこれらの状況に対応する良いルールを作っていきます。
現在バッテリーとそのカーゴへの侵入に対する安全基準がありますが、これらのアップデート作業が現在進行中です。

アメリカの自動車メーカー各社は自社の製品が自動車安全基準に適合することを自己証明しなければなりませんが、同時にクルマが使用される環境というものをも考えて、それ以上のテストを自社で行う責任があります。
ハイブリッド車は路上を走るたくさんのクルマの一部です。それがバッテリー火災や感電ショックの危険性をもっていればこれらの問題に対応する責任は自動車メーカーにあるのです。
しかし、ハイブリッド車が走っても全ての人の安全が約束される安全性のベースラインを作りだす安全基準を確立するのが我々の責任です。