Sustainability research 18

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Washington / D.C. / USA

私は韓国において、韓国NCAP、KASA=Korean automobile safety authority of DOT of Koreaで話しをしてきました。そこで彼らは率直に次のような話しをしてくれました。「韓国はOECD 30位の国です。日本は3位〜4位、アメリカが1位です。韓国はそれらの国々の競合国でははありません。道路、運転のトレーニングや教育などに関しては、韓国は世界30位と同様のレベルです。韓国には5つ星のクルマをつくっていますが、我が国に必要なのは5つ星のクルマではなく、安全教育や安全な道路、安全管理、トレーニングなのです」と。

それは非常に良い例ですね。
韓国と日本、両国を比べると、韓国は歩行者の交通犠牲者の割合が非常に高い。
歩行者と自転車利用者の犠牲者が50%にもなります。
日本は確か、約40%でしたね。韓国の場合は他の国々よりも非常に割合が高い。
ドイツの統計を見ると、歩行者の交通犠牲者は大幅に減ってはいますが、今も年に400人あるいは500人にのぼります。
これは多数であることに違いありませんが、毎年、継続して犠牲者の数は減ってきています。
我々は過去に、歩行者保護のパッシブセーフティに関してはほとんど何もしませんでした。
6、7年前には歩行者保護に関するリクワイアメントはありませんでした。
当時のクルマは、歩行者保護向けにアクティブボンネット、アクティブフットといった特別な装置をつけていませんでした。ほんの少し前の話しです。
にもかかわらず、歩行者の犠牲者は減少しています。
なぜなのでしょう。

第一の理由は、インフラが整備されてきたことです。
横断歩道、歩道が増えましたし、車道と分けた歩道、自転車専用道も増えました。
今、多くのインフラが整っています。

第二の理由は、クルマの歩行者保護に対するsenseが向上しているからです。
それはパッシブセーフティの装置(passive safety measures) やアクティブセーフティの装置(active safety measures) が向上したからではなく、ブレーキがよくなったり、ドライバーの情報(the information from driver) が良くなっているからです。
交通教育も良くなっているでしょう。
そこで、我々が今何をしているかというと、現在、400人の歩行者の犠牲がありますが、それを削減しようとしています。
もし、あと100人の犠牲を減らせたら、大変幸せでファンタスティックだと思います。
しかし、我々は今、少数の安全について検討をしています。多数については、既に他の方法によって達成できました。
何もその100人の歩行者については忘れようと言っているわけではありません。
我々はより多くの命を守るために注力しています。

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Seoul / Korea

しかし、もっと大きな一歩は、歴史的に見るとインフラなどによって達成されました。
しかし、それを、たとえば韓国に導入させるとなると、インフラ整備や教育などにできる限りの投資をしなさいと、私は勧めるでしょう。
そのほうが、大多数の犠牲者減少を得るにはよい方法です。
そして、大多数の事故犠牲者を減少させた後に、少数の事故犠牲者について検討することができ、また、たとえばクルマそのものにもよい効果を反映できるでしょう。
しかし、これまでインフラや教育などの方法によって減らしてきたのと同じように、クルマのデザインそのものによって多くの歩行者の犠牲を減らすことは、決してできないのです。
クルマのメーカーに行き、「歩行者にやさしいクルマをデザインしなさい」と言うのは、いつも簡単です。
インフラ整備を行なうところに行って、同じことを言うのが大変難しいのと同じくらい、簡単なことです。
政府に行って、お金はないが、「歩行者を考慮して、赤信号や横断歩道、歩行者専用道路などをつくりなさい」と言うのは、むしろ難しいことですが、こちらのほうがずっと効果があります。
歩行者の衝突事故を見ると、たとえばアクティブボンネットやアクティブフットによって命を救える可能性は、5〜6%程度しかありません。
つまり、我々は5〜6%の歩行者の犠牲を減らすことはできるでしょうが、基本的には、他の方法インフラ整備や教育などによる効果が大きいのです。
その5〜6%にしても、クルマにはねられた時に何が歩行者に起きるか、それは我々にはわからないのです。
たとえば車体の前方がやわらかい素材でできていて、それによって命は落とさなかったかもしれませんが、その後、道路に投げ出されてアスファルトで頭を打ったり、もしくは後続車に轢かれるかもしれない、それは全くわからないことです。
それよりもずっと良い、ずっと効果的な方法は、事故を避ける方法を探ることです。
それはインフラだけでなく、プラス、事故回避できる歩行者保護技術(preventable pedestrian protection)でしょう。
しかしそれは、クルマ、特に歩行者向けのパッシブセーフティに限ったものではありません。

E-call rescue について、BMWは日本に協力されようとしていますね。

現在計画中で、まだ技術的な変更が必要です。
なぜなら日本では、携帯電話はもう2Gを使っていませんね。
E-call システムは、今のところ3Gを基本にしています。しかし、次世代モデルでは、今のところ2Gを基本にしようと考えていますが、次世代が3Gである可能性もあります。
正確にはstart of collectionがわかりませんが、日本でもこれを使おうと計画しているのです。それほど遠い話ではありません。