Sustainability Research 23

ダイムラーAG、シェーネブルグ博士は自動運転をどう見ているのか?

ロドルフォ・シェーネブルグ ダイムラー AG メルセデス・ベンツ 研究・開発部門 ディレクター

写真:ロドルフォ・シェーネブルグ

今あなたが考えている自動運転は、自動車交通の安全に効果をもたらしますか?

私にとっては、自動運転の安全性へのインパクトという質問と受け取ることができます。
もちろん、自動運転は将来的に事故の低減に役立つと思います。
なぜなら事故の多くは運転中に人間がミスを犯して起きるからです。そうは言っても、運転者は常に適切な対応を心がけています。課題は、長距離や複雑な交通状況でも安全に自動運転ができるということです。

メリットは明らかにハンドルを握る腕にあります。例えば、自動運転では疲れにくかったり、ほぼ車両により操舵されます。ドライブアシスタントシステムにより著しく快適性が向上します。このように、運転者にとって快適さが増すと、安全に運転することができます。
そのため、長期的にみて、事故は減ります。
しかし、将来的にも事故への対応は必要となります。自動運転車で全ての事故を防ぐことはできないからです。
なぜなら道路にはほかの車、自動運転ではない車、古い車、トラック、自転車,モーターバイクなども走っている訳ですから、混在する環境になると思います。
物理の法則は自動運転でも引続き有効となります。

写真

Cologne / Germany

もう一つの見方があります。
私は安全性の専門家として、より安全性を高める為にセンサーを使います。自動運転車には更にセンサーが付加されます。
さらに、自動運転車には情報を周囲に送信するその他のシステムが装備されています。これらのセンサーは、例えばレーダー、超音波、カメラなどの技術に基づいています。さらに他の技術も加わります。例えば、Car to Xコミュニケーション(車両間、または車両とインフラストラクチャ間のコミュニケーション)により、周辺環境との情報交換が向上します。
これらのシステムから得る情報をrestraint systemに使ったり、衝突を事前に知らせたりするために使う事ができます。
ですから二つの側面があると思います。
自動運転車は事故の数を減らすという面と、自動運転車のセンサーを使って車の安全性を高めるという面です。

車車間通信は、将来安全性に大きな影響を及ぼします。
角を曲がった所にいて見えない車でも、その車の情報を使って、どんな車か、どの車種なのかなどを知る事ができます。
ですからこれは安全性に大きな影響を与えると思います。