Sustainability Research 003

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Busan / Korea

韓国特有の交通問題はありますか。

日本政府の目標は交通事故死ゼロですね。
なるほど、交通事故死者は減って来ました、しかし交通事故で怪我した人を減らすことはできていない。
だから新しい基準が必要とされていると思います。
韓国も同じで、1995年の交通事故死者は15000人でしたが、2008年には6000人以下になりました。
しかし、負傷者は減っていない。
死者を減らすだけでなく傷害を受ける人も減らさなくてはなりません。
警察は深刻な事故のデータ20万件しか持っていないのですが、保険会社はちょっとかすったときの事故データまで200万件持っています。
事故で軽いけがをしても病院へ行けば大きな社会コストになります。
社会的な面からも、交通事故の調査が必要です。
サムスンは保険会社と共同で、何が事故の原因になるか、どれくらいの影響があるか、事故の際にどのようなモラルハザードがあるかを調査しています。

世界に対してクルマを輸出をする国として、世界に責任があると思います。
日本と韓国の自動車産業が進出することによってその国にもよい影響を与えてきましたが、世界に対する責任や考え方には変化はあるでしょうか。

日本のメーカーは調査のためのファウンデーションなどがあり、何が事故原因になるか、どうやって安全な車を開発するかを調査していますね。
もちろんリアルなクルマ、事故を対象としていますから、実験中心のNCAPとは違います。
日本のカーメーカーはベストなクルマを作ろうとしており、そのベースになるのはリアルな事故のシミュレーションです。
韓国は、今もってレギュレーションに基づいてベストなクルマを作ろうとしています。
例えば広告に「ヒュンダイAモデルカーはアメリカの5☆」とうつように。
私はそのマインドを変えて、テストによらず、実際の事故のケースに基づいた開発を行なうべきと考えています。
今年はASVのプロジェクトが韓国で始まります。
メーカーの経営トップは、安全の問題でNCAPやレギュレーションばかり見ていましたが、今少しずつ変わってきたようです。
例えばヒュンダイは、5年前はセカンドクラスの会社でしたが、今は世界クラスの会社になりました。
前はホンダやトヨタの後を追っていました。
そのヒュンダイがリアルな事故のケースを見るようになり、レギュレーションだけに頼らなくなりました。
意識が変化しつつあります。