Sustainability Research 012 アンドレ・ジーク(前編)

ドイツやヨーロッパにおいては、どのようにして電気自動車の安全基準を
高めようと考えているのでしょうか。

我々はハイブリッドカーや電気自動車の事故のタイプの調査から始めようとしています。
新たな技術が現れる中、我々にはそれらのクルマの事故がどのようなものであるか、その経験値が必要です。
そして、それはハイブリッドカーや電気自動車の安全基準に反映されなくてはなりません。

ここでとても興味深い例を挙げましょう。電気自動車、ハイブリッドカーについてです。
例えば、時速30〜40キロではあまり騒音が出ません。
アメリカではすでに調査が行われていてその結果を見ると、特殊な環境においてハイブリッドカーの場合、歩行者や自転車に 乗っている人にとってはクルマにはねられるリスクが2倍にもなるのです。
彼らの横をクルマが通り過ぎたり、駐車していたクルマが発車するとき、彼らにはそれがわかりません。
これは、安全面での問題と言えるでしょう。

写真

Stockholm / Sweden

日本には、ガイドラインがありますね。
サウンドジェネレーターがノイズや何かの音を立てることによって、歩行者はクルマの存在に気づきます。
これはこの問題に対する実にシンプルな解決法ですね。
しかし、一方で交通の騒音が問題になってくると思います。
都市部では特にそうですね。
そこには電気自動車がノイズを出す機会がたくさんあると思います。
我々がサウンドジェネレーターによって安全面の問題を解決しようとするとき、我々は同時に、交通による騒音を削減するチャンスを失うわけです。

それ故に、我々はもっと高度な方法を見出そうとしています。
歩行者に電気自動車の存在を音以外で気づかせるものです。
サウンドジェネレーターよりも、もう少し高度な解決法として、noise of demand があります。
歩行者がいたら、そのたびにその場に騒音を出すとか。

でも、もっと高度なアイデアもあります。
クルマが歩行者とのコミュニケーションをとる方法です。
ドライバーが警告を出すというものです。
このようなアイデアをプロジェクト内で分析しつくり出して、サウンドジェネレーターと比較して、より交通の騒音を少なくする方向で進んでいます。