Sustainability Research 012 アンドレ・ジーク(前編)

写真:アンドレ・ジーク

異常に安価な製品づくりを避けねばなりません。それはテクノロジーを損ないます。

アンドレ・ジーク ドイツ連邦運輸省交通研究所 自動車工学部長 ユーロNCAPチェアマン

ドイツは実直な民の国です。
BAStもケルン郊外の緑濃い森の中にあります。
そんな緑の中でドイツ合理主義を発信して来たBAStは、
この環境回帰大合唱の時代に何をしようとしているのでしょうか。
この春ユーロNCAPのチェアマンにも就任した、新自動車工学部長、
ジーク教授に訊きます。

今日の世界が直面する、最も大きな問題は何でしょうか。

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Frankfurt / Germany

まず、石油など化石燃料による二酸化炭素の問題はもちろん重大です。
ドイツは電気自動車については大きな問題を抱えています。
我々のプログラムでは、どんな新しいタイプのクルマが安全かを見極める必要があります。
安全技術やプロテクトの技術は新しいものになるでしょう。

想像できるでしょう、電気自動車が事故を起こしたとき、乗員がそれほど重傷を負わなかったにもかかわらず、 発生したガスによって死亡したとしたら、ニュースでは大きくとりあげられるでしょう。
我々はそのような、新しい技術による悲惨な事故を防がなくてはなりません。
まず第一に、安全を確保することが求められるのです。
重要な点は、安全とフレキシブルに新しいアイデアを試すインダストリーとの間に、充分なバランスを保つことです。
常にバランスを見出さなくてはなりません。

ひとつ目に注目されている問題は、ガスですか?

たとえば火、クルマに使用が許可されているガスに興味を持っています。
我々は、それほど大きなダメージを与えないように、何がより良いのかを検討しなくてはなりません。
また、シャシーにかかる電気抵抗にも興味を持っています。
シャシーの中には400ボルトのバッテリーがあるのです。
それは、他の道路利用者にとっても、また救助隊にも問題です。
そのため、我々は電気がシャシーに影響しないように注意しなくてはなりません。