Sustainability Research 001

写真

New York City / USA

経済危機後、ハイブリッドカーとか電気自動者が開発されて増えてくるでしょうが、それらに関する安全上の問題をどうお考えですか。

代替燃料車に関しても、ハイブリッドカーや電気自動車、なんであれ、ガソリン車と同様に安全にしたいと思っています。
通常のクラッシュのときには、特別な問題はないでしょう。
代替エネルギーに変えることが問題とは思われません。むしろソリューションの一部かもしれない。
例えば、新しいエネルギー源が見つかったりハイブリッドでバッテリーライフが長くなったとなれば、人々は前述の一番小さいクルマ(ApteraやLow Speed Electric Vehiclesなど)や小型車に乗らなければならないというモチベーションを持たないことになりますね。
普通サイズのクルマで普通に走っていてもいい。それならば今まで通り、充分に乗員が守れるということになります。
我々は、代替燃料に変えることで特殊な問題が存在するかを考えなければならない立場にいると思いますが、「ガソリン以上に問題はない」という結論を出せると思うのです。
ガソリンとは唯一我々が知っている悪魔であって、まだ我々が知らない悪魔に対抗するのは、唯一知っているガソリンの経験からしかありませんからね。
願わくばアメリカでは、燃費に関してクルマを選ぶ時も、充分に大きなサイズ、乗員保護の可能なクルマを選んでほしいと願います。
もちろん、ApteraやLow Speed Electric Vehiclesとかの必要な場所はあると思います。住宅地区、リタイアした人の住むところなど常にスピードが低い場所、ほかの車が入ってこないような場所ではいいと思います。
しかし、その地区を一歩でたら、時速45マイルのスピードで走っている、そこにトラックも走っているとなると、とても危険なものとなります。

これから期待している技術を、3つあげてください。

ひとつはやはり、アルコール問題ですね。
邪魔にならない形でアルコールの検査をする技術。
アメリカでは毎年8000人以上の死亡を防ぐことができるんですよ。
アメリカは、アルコールも文化の一部という国ですから、全く飲むなということではなくて、一定以上のアルコールが入っている場合には運転させないと技術ができれば相当な死亡が避けられる。
2つ目として、どう作動するかわからないながらも期待するのは、前方衝突防止装置や前方衝突防止支援システムですね。シビアなクラッシュを妨げる効果があります。
時速50マイルのスピードで衝突しそうになって自動ブレーキがかかると、ぶつかっても35マイルまで減速したパワーでぶつかる。そこが死ぬか生きるかの境目になります。
そういう技術がもっと確実になればいいと私は思います。
クラッシュ時の最後のプロテクション、ケージで守るということについてですが、前突、側突、そして3番目は横転です。年間約1万人が横転で死亡していますからね。これには、屋根の強さが大きな問題になります。
屋根を強化して車両全部を支えられるようにすれば、半分くらいは死亡を防げるのではと考えています。
今、あまり強くない屋根を持っている車がたくさんあるので普及してほしいと思っています。
4番目ですが、今最ものぞむ先進システムは衝突を回避するシステムです。
例えばレーン・デパーチャー・ウォーニングやブラインド・スポット・アシスタンスなどは衝突回避装備としては有望です。センサー技術やマッピング技術が自動車技術として確実になり有効になる、それを使った装備によって衝突が減ってほしいと思います。