Sustainability Research 001

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New York City / USA

今の話から、ドライバー不在の自動運転でも走れ、危険を回避できる…。こういった技術を要望しますか。

より自動的に作動してくれるシステムのほうがいいですね。しかし、ドライバーに多少なりともコントロールさせたければ、微妙になってきます。
自分が実際にコントロールしている部分とそうでない部分をどうやって見分けるんでしょう。
カーメーカーは、ここのところにかなり神経を使っていると思います。ドライバーに自分でコントロールする責任を持ってもらいたいと考えます。
例えば、メーカーの中には、キーピングアシストを展開しているところもありますね。エレクトロニクスステアリングなどですが、ドライバーがそれを頼って、自分ではコントロールしていなくても順調に走行します。しかし、アシストが終わると自動的にオフにしてしまう。ドライバーはそこからはまた自分でやらなくちゃいけなくなる。
そういうシステムですが、問題はドライバーがそれを自覚しているかどうかです。
ドライバーが走行時、ハンドル操作などをあまり気にしなくてもいいとなってテキストメッセージをやっていたとします、そこで彼にアシストが自動的にオフになってしまったことがわかるかどうか。
メーカーさんにそれを言うと、「オフになった」と何らかの音で知らせると言っています。そうしないと自動的にやってくれていると思い込んでしまう危険性があり、事故につながってしまう。
ドライバーがコントロールする必要性を減らすのは良くありません。そこが微妙なところです。
かつて我々はそういったものを評価する立場にありましたが、今はそれを人々が受け入れて正しいやり方で使ってくれるかどうかをまず評価します。

ドライバーの運転する楽しさみたいなものは、どうなるのでしょう。

自動コントロールをオフにするようなスイッチをつけるという以外にないかな。
教育も必要なんじゃないでしょうか。

先ほどでた飲酒運転についてですが。
アメリカ人は、アルコールを飲んで運転することが悪いことだと思っているのですか。

もちろん人々は、飲酒運転は悪いことだと解っていますよ。
一度飲酒運転でつかまると、アルコロックをつけなければライセンスを返してもらえないのですが、これについて彼らは非常に高く支持しています。また、それだけでなく、全てのクルマに飲酒運転をさせないようなデヴァイスをつけることも支持率が非常に高いのです。たとえ一杯でもアルコールを飲むと運転能力が落ちると、大部分の人は理解しているのです。
自己規制をする人々も多いのですが。
しかしそれでもなお、お酒はこの国の社会活動の一部なのです。
食事の一部だし、フットボールゲームの一部だし…。
そして、何よりも運転しての移動が必要不可欠ですからね、この国では。飲み過ぎは良くないぐらいにしか思っていないのではないかと思います。一滴も飲んではいけないなんてこの国では、ナンセンスです。飲酒運転でライセンスを取りあげるなんてとんでもない。
日本のようにとても厳しく取り締まるようには、残念ながらまだなれませんね。それを期待することすらも無理でしょう。
なぜなら、アルコール飲料業界団体は大きなお金を持っていますし、そのお金をロビースト達に使って大きな影響力を持っていますからね。
そこは日米の大きな違いだと思います。