Sustainability Research 010 ロドルフォ・シェーネブルグ(前編)

中国への御社の製品の提供についてはどのようにお考えですか?

ザイザー: 中国は巨大な市場、今や一級の市場です。
新しい政府からの必要条件もできてきました。
ですから日本同様中国とも、我々は協力し合っています。
北京ベンツ・ダイムラー・クライスラー(BBDC)という合弁会社を設立し、開発センターも置いていますし、もちろん現地生産もしています。比亜迪股份有限公司(BYD)とも協力関係にあるので当社の車を中国にいれるべく協力体制を敷いています。

中国でもドイツで販売しているのと同様の安全機能、システムを搭載したものを販売しているのですか?

はい、そうです。
かつては中国市場はアメリカ市場にとても近かったのですが、その後、よりヨーロッパ市場に近くなりました。
ですから現在は、中国市場においても同じシステム、スタンダードを用いています。
たとえば高級車種のSクラス、Eクラスの最新のプレセーフにしても、中国においても何も違いはありません。
耐久性については中国の道路事情というものがあるので、中国特有のニーズを考慮にいれていますが。

世界中で同じ機能、システムを搭載したものを販売するというのが御社のストラテジーなのですね?

写真

Frankfurt / Germany

ザイザー: ボンネットにメルセデスの星が付いている車は全て同じチームが安全機能の作業にあたります。
たとえどこで購入したメルセデスであろうと同じクオリティ、そして安全レベルが保証される。
これは、お客様が我々に当然のこととして期待することです。
そして、世界中どこでも同じ構造が採用されています。
確かに地域ごとの条件というものは考慮に入れる必要があります。

資料 「Sustainable Mobility : Road Safety as a Global Duty」 の6ページを見て下さい。
例えば、アメリカのバンパーとヨーロッパや日本のそれでは要求される条件が異なります。
ですからアメリカには特別のバンパーをデザインする、しかし安全性に関しては同じ条件を満たしています。
同じ収容人数、様々なクラッシュテストなど、アメリカのスタンダード、ヨーロッパのスタンダード、中国のスタンダードなどそれぞれにたくさんあります。
例えば、ルーフトップのダメージテストはメルセデス特有のテストです。
これらすべての条件が世界中で売られる車の一台一台で満たされているのです。
社内では一台一台の車に対して39の異なるテストが行なわれます。
それからコンパティビリティも大切ですね。
我が社ではツーシーターのスマートからSクラスまで扱っているので、車のコンパティビリティを充分考慮する必要があります。

資料