Sustainability talk 13 久保田秀暢(後編)

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Edam / Netherlands

そうすると日本ではどれが正解ですかね。

僕もわかりませんが、自分の父親を考えても、小さなカテゴリーを作ったとして、誰が乗るのかという気がします。
中には乗る人もいるかもしれませんが、死亡事故などがあったら急に売れなくなるかもしれませんし。
値段も軽自動車とそれほど変わらないじゃないかということになりそうですよね。
それだったら軽でi-MiEVのように100km走ったら充電するようなものの方が現実的な気がします。

ヨーロッパでも、そうしたカテゴリーが盛り上がっている感じはありませんよ。
日本と同じように高齢化や年金問題などはどこの国でもあると思います。
第二次世界大戦が終わって、ベビーブームがきて、ドイツでもベルギーでもフランスでも。
年金をもらうのは日本より少し遅くて、65歳からだからまだですけど、あと3〜4年経つと年金支給が始まって。

ドイツの知人に聞くと、最近自治体、コミュニティーが持っていたプールやテニスコートなどのアクティビティな施設がどんどんプライベートカンパニーに売却されているのだと言っていましたね。
日本と同じですよね。構造的には日本と同じような高齢化が欧州でも始まっているんです。ただし、インフラが日本よりしっかりしている分、モビリティの部分では発想が違うのかなと思いますね。
日本ではクルマが要らない都市は東京と大阪と名古屋ぐらいでしょう。
クルマがいらない社会っていうのはないじゃないですか。

そうですね。アメリカだったらニューヨークぐらいですかね。

うちの秘書はローザンヌから通っていますが、クルマを持っていないと言っていました。
クルマがなくても困らないと。
どうしても必要な時はレンタカーを借りればいいと。
日本で高崎市に住んでいる人がクルマを持たないなんて難しいでしょう。

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Stuttgart / Germany

あとここ1年で気づいたことは。

アイテムをひとつずつ言うと……。
電気自動車では音が静かなので警報を出すのがありますが、車両警報、あれは日本のガイドラインがそのままこちらのガイドラインになる方向が先々週決まりました。6月ぐらいに採択されるようです。基準ではなくガイドラインですが。
排ガスの試験モードづくりをやっていますね。
WLTPというものですが、淡々と作業を進めています。
新しいアイテムはないですね。

IWVTA(International Whole Vehicle Type Approval System)は日本が提案したんですが、58年協定の中で今、部品の相互認証はあるんですが、車両をまるごと相互認証しましょうというものがあって、今、インフォーマルで活動していますが、中々合意が得られず難しい。