Sustainability research 17

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New York City / USA

私にとっては、環境をとり上げられているというのには、興味があります。
私はユーリッヒにあるドイツ系で一番大きな環境の研究所の所長をしていました。そこで私が学んだのは何かと言えば、本来、良い環境の研究というものはないということです。
現在、環境保護の研究で行なわれていることは、二酸化炭素などの大気、あるいは水ですね。
バイオの研究はそれと並行してなされていますが、私はそれは間違っていると思います。

人間は生命です。
本来的に空気と土と水の中で生活しているのです。
そのことを総合的に考えなくてはいけません。
自分が所長だった時にはバイオの研究を中心にして、大気や水などの知識を持ってきて総合的にする。
大切なのは、ライフ、生命の環境ということですから。その時は物理学者や科学化学者、政治家からかなりの抵抗がありました。でも意思を貫徹しました。
この大気中で生きているのは人間だけではないということです。様々な微生物や生物がいるのです。
ですからバイオ、生物というものを中心に置かなければならないと言いました。
安全と環境に興味を持たれているのであれば、予防にも興味を持たれているのではないでしょうか?

ただ残念ながら人間は予防といいながら、予防のための行動はしていません。
聖書の中でパオロが言う言葉「私は善というものを知っている。」があるのですが、人間はそういう風には行動しません。
たとえば、「環境のために大気のためにクルマを走らせてはいけない」というのではダメで、もっと別の方向からコンセプトを持ってこなければなりません。
環境の国際会議が毎年行なわれていますが、あれも「競争」になってしまっています。
その時、その街、その国ごとの競争になってしまっています。
今現在そういう状況であるということが問題です。

1995年に『サイエンス』という雑誌に寄稿した論文があります。
環境保護研究における環境の研究が正しい、重要だと証明するためのモデルです。
30年かかりましたが、この30年で世界は寒くなると言っていました。
たとえば、地球で平均気温が2〜3度下がったとしたら、ある地域にとってそれは非常に良いことかもしれませんよね。
ですから問題を冷静に違うコンセプトから見ていかなくてはいけないということです。
私は医学的心理学者ですから、環境をテーマにしたのは非常に大きな挑戦でした。
数学的な興味もあるので、数学的なモデル作りもしました。
とにかく、数学、物理、科学、医学、哲学など、いろいろな学科を超えた学問ですから。