Sustainability Research 013 アンドレ・ジーク(後編)

そのような視点において、今後最も重要で有望な技術は何ですか。
たとえば現在のESCのような。

そうですね、重要で新しいセーフティシステムは、先進のセンサー技術においてですが、forward looking systemでしょう。
距離を保ち、クルマのおかれた環境を判断して、その評価をベースにして、安全機能を創り出すものです。
我々には大きなエリアでのこれについてのフルデータがあります。
それは歩行者についてです。
歩行者を察知して、ブレーキを作動させます。たいへん大きな歩行者保護です。
歩行者をしっかり探知して、歩行者が飛び出したりする可能性を計算し、それによって事故を回避できるものです。
歩行者の動きは予測できませんからね。
だから事故を避けられないときもありますが、フルオートマティックな緊急ブレーキシステムは歩行者を感知して速度を落としてくれます。
これは歩行者の事故を避けるシステムで、安全性においては第二の分野における最大の課題ですが、我々は既にこれについてコストをかけて、アセスメントするための研究をしています。

写真

Salzburg / Austria

日本には、優秀なセンサーテクノロジーがあります。カメラのテクノロジーについては、カメラはレーダーよりも安価です。日本は高級車ではなくポピュラーなクルマにもその技術を提供しています。日本のカメラ技術は十分でしょうか。

エレクトロニクスの世界では常に、より進化すると、より安くなります。
我々は既に次の技術を見ています。
未来におけるよりよいシステム。
これは技術進歩の始まりと言えるでしょう。
大変重要なことは価格が安くなるということです。
たとえば、第一歩としてまず歩行者の保護を重要視すれば、歩行者を守るためにセンサーがいりますよね。
そうして、歩行者を守るためにセンサーに大量に需要があれば,価格を下げることができますね。
どこに利益をおくかですね。
歩行者にポイントを置いたとしても、もっとできることがありますね。
レーンキーピングまたはレーンディパーチャーウォーニングやトラフィックサインレコグニッション、ディスタンスコントロールなどです。
これは新しい安全機能を備えるための入口です。
技術の進歩への大きな一歩ですが、それが大量生産されるようになるとコストは下がります。
先ほどの緊急ブレーキは歩行者の安全機能のために大きなポイントとなるでしょう。

これが、どのようにして技術を進歩させられるかについての私の考えです。
大量につくることによって、我々はより安いクルマにもカメラを設置できるようになるのです。
ESCの場合は、高級車から安価なクルマにも設置できるようになるまであと10年、15年が必要でしょう。
ユーロNCAPは、このような新技術についてマーケットを刺激することで、マーケットにとってたいへん良い存在となるでしょう。