Sustainability Research 013 アンドレ・ジーク(後編)

ユーロNCAPはこの技術革新の時代をどうとらえているのですか。

我々は調和することが必要です。
さまざまなマーケットにおいて同じ安全機能の評価軸を持たせることは、とても重要なことです。
同じパッシブセーフティでも、アメリカとヨーロッパでは状況が異なります。
そのため、我々はテスト評価を調和させる必要があり、生産台数を増やす場合にはテストを大変すばやく行なわなくてはいけないことを認識していなくてはなりません。
そのような意味で、日本とも、ともに自動車生産に関する調査について取組めるようになりたいですね。
日本では調査をスタートしたばかりでしょう。

たとえば歩行者の安全について検討するとき、クルマがドライバーにブレーキをかけるように警告を発するシステムで、我々はテストシナリオが必要ですが、センサーのテストだけの場合、ダミーを壊したくはないでしょう。
また、歩行者のダミーによってクルマを傷つけるのも避けなければなりませんね。
そこでアイデアとしては、クルマがダミーをはねる前に非常にすばやくダミーを移動させます。
ほんのわずかな瞬間です。
他のアイデアとしては、とても軽いダミーを用意します。
そうすると、クルマがダミーをはねるときクルマが受ける影響を減らせます。

ここで疑問が出てきます。
もし歩行者が違うとどうなるでしょうか?
リサーチレビューをスタートさせるためには、とても重要なことです。
こうした疑問が、さまざまな事柄をリンクさせて解決に導くのです。
ここからスタートして、最終的には、ヨーロッパやドイツ、日本、アメリカ、それぞれのテストを調和させます。
まず、調和するための作業をスタートさせて問題の解決を図らねばなりません。
こうした理由で、我々はアメリカやヨーロッパの各国とともに取り組んでいるのです。

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Paris / France