このクラッシュアボイダンスブレーキは激しい勢いでブレーキが作動し、
運転者に対する警鐘という意味もあると思いますが。
New York City / New York / USA
これらの自動制御システムはまず警告を出します。
メーカーによって警告の仕方は異なりますが。
ボルボのシティ・セーフティではなくて、高速走行用システムにはダッシュボード上のシミュレーションブレーキライトが点灯し、アラームがなるので聴覚警報になっています。
他社は警告としてパルスブレーキといった違う方法を試みていますね。
どれもが運転者の注意を道路に戻す最適のきっかけを探しています。
何らかの理由で注意をそらせた運転者は、前方に何があるかを見ていない。
だからそのドライバーの注意を道路に戻すのにどのようなシグナルを使うか、ということです。
結果が出るまでは何がよいかは分かりません。
衝突を防ぐという点では、まだ我々は満足するところまでいっていません。
自動運転車などの様々なリサーチプロジェクトが行なわれていますが、まだそういうものはありません。
自動車メーカーが今やっていることは、まず運転車に警告し、反応しないと、そして衝突が切迫し避けられない場合のみブレーキが入り、クルマを止めようとしているのです。
ですから今のところ、車内にあるベストなマシーンは、注意を払っていれば、運転している人間だということです。
New York City / New York / USA
このブレーキングシステムは、現在のシートベルト、エアバッグ、ABS、ESP、ESCなどと同じように安全標準になると思いますか。
そう思います。
しかし、それは正しいやり方を見つけた時には効果を発揮すると思うからです。
このようなシステムのなかの一つを慎重に検討してみました。
自動ブレーキングはついていませんが、メルセデスの前方衝突警告システムで、メルセデスが他社より先にこれを搭載した自動車メーカーの一社だからで、我々の研究対象とすることができました。
ディストロニックと呼ばれるものでエレクトロニック・ディスタンスから来ています。
これはアダプテド・クルーズ・コントロール・システムですが、多分2004年だと思いますが前方衝突警告システムも付け加えました。
同社のアダプテド・クルーズ・コントロール・システムは前方に何があるかを見ることができるので、このレーダーを常にオンにしておけば、アダプテド・クルーズ・コントロール・システムを使っていない時でも前方のクルマに近づきすぎたりすると警告をしてくれます。
このディストロニック搭載の車両に関しては保険請求件数の低減が見られます。
これはこのシステムがうまくいくという良い兆候です。
これが第一世代で、自動ブレーキングもないので次世代のディストロニックプラスには自動ブレーキングが付いており、これはさらに大きな成果を出すのではと思っています。
しかし正直言って今は分かりません。
これらのシステムが、どれくらい効果があるかを見なくてはなりません。
テストコースではどれもこれも良い。
しかし90年代、アンチロック・ブレーキング・システムはテストコースではとてもよかったのに現実の世界での結果をみると衝突時の効果は見られなかったということもあります。
ブレーキのシステムとしては今までのものより良かったが、目に見えるほどの安全上のメリットはなかったのです。
今ではABSは必須となっています。
なぜならESCの一部だからで、ESCには実際の効果が見られますからね。
しかし覚えておかなければいけないのは、ABS も ESCも両方ともテストコースではとてもよかったのに、ESCだけが実際の事故において効果を見せたということです。