Sustainability talk 12 久保田秀暢(前編)

マツダと言えば水素エンジンを頑張っていますね。

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London / UK

燃焼の方ですよね。
ロータリーで、デュアル・フューエルの。
ただ私は水素は否定的なんですよ。
だって水素のタンクの重さが95%なんですよ。
満タンにした時で。燃料の重さは5%なんです。
それは無駄でしょう。

だったら低位置で水素で発電させるにしても、やっぱりバッテリーに蓄えて走らないと水素だけでは効率が悪いように思えるんですよね。
やっぱり電気にしてからじゃないですか。

まあ、その辺も含めてどうなりますかね。

国連も含めて燃料電池は下火ですよね。熱が冷めている。
今は電気自動車ですね。

結局、電気自動車も電気をつくらなくてはならないから。

そうなんです。でも電気は太陽光発電でも風力でもなんでも。
まあ、何でもいいわけですよ。
あとはそれをバッテリーに蓄えられるかどうかが勝負なんです。
だから今のプリウスなどに載っているバッテリーとか、三菱のiミーブでしたっけ、あの性能が2〜3倍になればいいわけですよね。
そうなれば400kmぐらい走れるわけでしょう。

まあ、今でも例えば120km走って、ステートプラグで自宅で充電して。
クルマを使わない時はそこから家庭の電気として使えばいいわけですから。
というと自動車メーカー怒るんですよね。
そんな家庭で使うためのバッテリーをつくっているんじゃないんだって。

スマートグリッドはそういう発想ですよね。それがいいかどうかは別として。

バッテリーの性能さえ上がればいいんですよね。
だから、バッテリーの規格を押さえたところが勝ちなんですよね、私の予想では。

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Stuttgart / Germany

現在、新しいリチウムイオン電池の世界の3分の1を押さえているのがサムソン等の韓国と言われています。リチウムイオンで言うとリチウムを持っている中国の1人勝ちだと言われていますね。

だからドイツは負けないから、リチウムイオン電池のリクワイアメントをつくりたいわけですよね。
いくら彼らが電池をつくっても、規格を押さえてしまえば勝ちだから。
というのがドイツの発想ですよね。
面白いです、やっぱりしたたかですよね。

ドイツはもちろんですけど、オランダとかベルギーとかもしたたかですよ。
交渉能力というか、もともとが関所の国じゃないですか。
それで税金を取って食ってたわけですから、話をしていても本当にしたたかだと思います。
だからブラッセルにいろいろな国際機関の本部があるのかという感じがしますもん。

やはり強国に囲まれている国というのは、(スイスもそうですけど、イタリア、フランス、ドイツ、昔はオーストリアも強国だったから)4つに囲まれている国というのはしたたかだと思いますね。