Sustainability Talk 12 久保田秀暢(前編)

温暖化対策というのは、欧州という地域の中で自分たちが発展していくための良いツールなんだと思います。

久保田秀暢 自動車基準認証国際化研究センター ジュネーブ事務所長

写真:久保田秀暢

「今ヨーロッパは何を考えているのか。」
久保田さんは、最前線でヨーロッパと日々丁々発止とわたりあっている。
「ヨーロッパって何なんだ。」
教えて、久保田さん。

JASIC(自動車基準認証国際化研究センター)は、どのような事を担っておられるのでしょう?

国連の会議が年に15回あるのですが、年に15週、国連の会議で何を決めているかというと、国際基準、EC基準を決めています。
現在、国際基準は130ぐらいありますが、そのうち40ぐらいは日本もすでに採択していて、その改正とか、日本から改正提案などをすることがあります。
そうしないと欧米で勝手に決められて「日本もこれを使えよ」と言われても困ってしまうので、日本の道路事情や交通事情に合わせて基準を新しくつくったり、改正したりという作業を国連の会議の場で行ないます。
国連で発言をするために日本から出張者がたくさん来るので、その人たちの窓口・事務局となっています。

写真

London / UK

日本からの出張者たちというのは官庁の方たちですか?

JASICはもともと国からの補助金が半分、残り半分が自動車工業会や部品工業会などからの寄付金で成り立っている、いわゆる半官半民の組織、財団法人です。
ですから、事前に日本で国とメーカーがどういう対処方針にするかを決めて、その方針に従って一緒に発言するので、国半分メーカー半分のデルゲーションになっていますね。

その中には日本発のプロポーザルがあるんでしょうか。

もちろんあります。
例えば2010年1月1日の日経新聞に記事が出ていますが、これは日本からハイブリッド車の安全について提案したものです。

やはり日本はハイブリッドが進んでいるからですか。

これは2年ぐらい審議して、日本の基準がうまくいったというケースですね。
最近は日本からの提案も非常に多いです。