Sustainability Research 21

ハーモナイゼーションは非常に難しい。誰も神にならないし、誰も王になりませんから。

エイドリアン・ランド 全米道路交通安全保険協会 会長

写真:エイドリアン・ランド

NCAPの大きな一つの柱となっている、IIHS。
彼らはGlobal NCAPでも独自路線を貫いているように見える。
NCAPの中の風雲児といった趣だ。
しかし彼らの存在があるから、世界のNCAPは健全であると言えるのかもしれない。
時にアグレッシブ、時に排他的、しかしそれも人々にために。

今、アメリカでの状況、交通においてどのような問題が存在しますか。

常にある問題と同様、新たに興るさまざまな問題を抱えています。
しかしそれらは比較すると小さい問題です。
クルマはカーメーカーの領域です。カーメーカーは、安全性の進化に貢献しています。
例えば我々は、今も飲酒運転の問題を抱えています。
またいくつかの州では、いまだにかなりの人がシートベルト未着用です。
それらは大きな問題です。

写真

New York City / USA

さらに、スピードの出し過ぎの問題もあります。その問題は増加傾向にあります。
なぜなら、アメリカ全土では最高速度が時速50マイルとなっていましたが、1980年代後半に制限速度が変わりました。
いくつかの州では時速80マイル、テキサスでは確か時速85マイルにするという計画があると思います。
トラブルとなるスピードですね。
今、クルマはどんどん安全性を高めています。
衝突のエネルギーがより大きくなると、乗員保護はより難しくなります。
ですから、対応策を講じています。

また、常に運転時の注意散漫の問題があります。
たとえば2009年や2010年の衝突事故をよく見ると、かなり多くドライバーに問題があります、結果的に。
人々は、朝クルマに乗るときには衝突には注意を払いません。
そのため、そこに過ちが起きるのです。
注意散漫事故は多くの場合、ときにはアルコールのせいでもありますが、それはほとんどが夜間で、ケースとしても少なく、深刻な事故ではありません。
しかし非常に深刻な衝突もあり、重傷を負ったり犠牲者が出ます。
それは注意散漫によるもので、注意が必要なときなのに助手席の人とおしゃべりをしていたり、後部シートの赤ちゃんが泣き出すこともあります。
何かが床に落ちて、それを拾おうとすることもあります。
常にそのようなことが起こり得るのです。
そのため、近年の安全技術の進展が異なる点は、注意散漫による衝突の防止という点にあります。

技術の面で衝突に関する話しをするとき、ドライバーアシスタントシステムの話題を我々は常に希望します。その技術が、クルマの接近を伝えてドライバーの注意を取り戻すように願います。
不注意事故の問題を解決する技術を、我々は近い将来持つことができると信じています。